2011年12月9日

2011年日本に起きた「ソーシャルメディア革命」と、2012年の展望



2011年は「(企業の)ソーシャルメディア(参入)元年」と言うべく1年になった。企業はFacebook、mixi,twitterに参入し、積極的にマーケティングを行う姿が11年後半はより活発的に見られるようになった。


個人的にはこれらは、表題の「ソーシャルメディア革命」とは考えていない。2011年起きた事象として個人的に最も興味深く、今後に大きな影響を与えた現象は、ソーシャルメディアの利用が「遊び」ではなくなったことだ。


これまでは日本ではmixi、twitterが多くのユーザーに使われていたが、極端な表現になるが「子供の遊び」、「社会人の息抜き」と言ったようなポジショニングであったと考えている。


そこに2011年は
①Facebook(実名SNS)の活性化
②「シェア」という概念の一般化
③ソーシャルメディア上での「ネットワーキング」や出会いの機会の活発化
④企業のソーシャルメディア参入が活発化したことにより、
ソーシャルメディアの個人的利用が社会的地位を得たと考えている。この現象が与える影響は非常に大きいだろう。


(広義の)社会人の利用拡大によるソーシャルメディアの利用拡大
 →ソーシャルメディアの拡大による、企業側の参入の増加
  →企業参入によるコンテンツの増加によるソーシャルメディア利用者の拡大


というスパイラル現象が起き、ソーシャルメディア自体が社会に与える影響力が2012年急拡大する可能性がある。
その一つの手がかりとして、日本のソーシャルメディアの利用率を他先進国と比べるとまだまだ「伸びしろ」があると見ている。下記はFacebookの利用率を表した一覧である。




あくまでこれは「Facebook」という限定的な指標だが、アメリカ、イギリス、カナダは50%前後、ドイツ、フランス、イタリアが30%前後、平均で約40%という数字が出ている。


日本はFacebookの普及が遅れている為、全盛期のmixiの数字と比べて見ると、ピーク時2000万MAUの計算で15,7%になる。※日本には他にもモバゲー、GREEと行った「ゲームSNS」が有る為これらをどのように扱うか、という部分は重要な議論だが、「ソーシャルメディア」との違いとし、分けて考えている。


2011年は社会人の一般的利用が拡大したことで、「ソーシャルメディア」が社会的地位を確立したことは、定性的に非常に大きなインパクトを与えている。


2012年はその定性的な部分が定量的に反映されると詠んでいる。またその影響により(先ほどの話しに戻るが)来年は更に企業のソーシャルメディア参入の活発化するだろう。来年以降はその影響力の拡大から少なくともBtoCのビジネスに置いては短期的売上、利益が上がらないという理由でソーシャルメディア参入を先延ばしにするという行為は避けられなくなる。


貴方の会社は既に本格参入を果たしているでしょうか?
もし果たしておられないのであれば、直ぐに開始されることをオススメする。これまでのFacebook、mixiに加えて先日リリースされたGoogleページ、今朝方twitterのブランドページがリリースされた。
これにより企業がソーシャルメディアでのマーケティングを行わなければいけない理由はまた一つ増えた。


2012年は企業が「ソーシャルメディア担当を専任で付けなければいけなくなる元年」となるだろう。

2011年12月2日

ソーシャルコマース時代に企業・個人が情報発信に関して考えるべきこと





韓国でサイト上での販売個数を水増しし、あたかも「人気商品」であるかのように見せる手法が多発しているようだ。情報元は中央日報。


日本はまだこのような事件は大きく報じられることがないが、今後ソーシャルメディアが発達していく中で、同様の事件が起きないとは言い切れない、いや、必ず起きるだろう。これらの事件はなかなか表に出づらいものであり、非常に質が悪い。今回500万-700万ウォン(約50万円)という過怠金処分を下したとのことだが、未然の防止が難しい事からも、より厳しい処罰を行なって欲しいものだ。


ソーシャルコマースにおいて起きるべきでないことは発信される情報が「勘違いを招く」ということ。「~だと言う情報が書いてあったので買ってみたら、実は~だった。」「人気の商品だから品質に間違いないだろうと思って買ってみたら~だった。」といったことである。これらは何処までが戦略で、どこからが反則で、、、、と言う決まりは非常に不明確な所ですが、ソーシャルコマースの中心である「消費者」に置いては常に中立な立場であって欲しいものだ。


今回ご紹介した企業側からの意図的な水増し行為は言うまでもないが、情報を発信する企業側はもちろん、一般消費者側として個人のレビューや、コメント、つぶやきや投稿などが見ている人に影響を与え、悪意なく「勘違い」を起こす可能性は否定できないのである。今後ソーシャルコマースという概念の普及に際して企業側が個人に対してレビューを記載する機会を与えることが増えていくだろうが、その際に是非とも下記を参考までに思い出していただければ非常に幸いである。


客観的な観点から述べる
「何故そう感じるのか」、「こういうシチュエーションで役にたった」、「ここがこういう風によかった」など、レビューに客観性・具体性をもたせることは重要。そうすることで読む人が「勘違い」することも減り、また説得力のあるレビューになることだろう。


情報元の開示を行う
何かの情報を参考にしている場合は、情報元を書くことは大きくプラスに働くだろう。
1)発信する情報に説得力をもたせることができる。
2)間違った情報を流した時の貴方の盾になってくる。
誤った情報を拡散することは誰にでもあることだが、情報元を開示することで、「この情報源が間違っていた」とすることになる。罪がなくなるわけではないが、貴方の罪を軽くしてくれることでしょう。
 
感情に任せたの投稿を控える
個人的にはiPhoneアプリのレビューで感情に任せた表現は大げさな表現になりがちで、必要以上に商品をよく見せたり、悪く見せたりしがちになると考えている。対応策としては上記にも記載したが、客観的な観点からの投稿をして欲しいものだ。


自分の情報に対して「責任感」を持ち、無作為な情報拡散をしない
以前震災の際にtwitter上で悪意なくRetweetした情報が全く架空の物だったり、嘘の情報だったりという事があり問題になったことがあった。自分の発信する情報は常に自分のリアルの友達及びフォロワーと言う自分の知らない誰かが見ており、その人達に影響を与える可能性がある事を自分で認識しなければならない。
価値のある情報はもちろん人に評価されるのは勿論だが、その反面誤った情報、誤解を招く情報は人に対して不利益を与えるという事をしっかり認識しないと、情報を流している貴方はソーシャルメディア上で信用されないばかりか実名性で行なっている場合はそれがリアル世界での不利益を及ぼし兼ねない。


ソーシャルメディアとは他人に、そして自分にどのような影響を与えるのかを理解し、自分も他人もプラスになる、ソーシャルメデイアの活用をい心掛けて行きたいものだ。



2011年11月15日

GoogleページをリリースしたGoogle+の今後




最近Googleページがリリースされ、Googleページまた最近話題ですね。(そうでもないですか?笑)母国のアメリカでは今後のSocialMediaがどのようになっていくか、という論議は活発だったようです。


自分がみたアメリカのニュースでは、「Googleはインターネットの全てを網羅しており、Facebookはソーシャルメディアというインターネット一分で人気があるサイトなだけで、Googleがその気になればFacebookを覆すのは簡単だ!」というのが印象的でした。


「Google+ってどうなの?」という質問を受けたので個人的見解を書こうと思います。結論から書くと、現状のままではGoogle+は(少なくとも日本にはに関しては特に)Facebookから、マーケットシェアを奪っていくことはできないと考えてます。理由は以下の通り。


理由①Facebookとtwitterの良い関係
現状Google+の進む先にはFacebookとtwitterが先行して走っているが、その2つが現状は「良い関係」を築いていると言える。
共にフローなニュースフィード/タイムラインを持ちながらも時間の流れ、友達の枠組みの違いから使用用途が異なっており、ユーザーの取り合いが起きていない。Google+はどちらかといえばFacebookに近い形状になるが)友達との関係性、投稿内容の気軽さ、や情報フィードの速さ(ニュースフィード/タイムライン)からもtwitterと競合するだろう。


現状は日本に関しては特にtwitterは最も人気のあるサービスの一つであるのは間違いないし、日本に限定せずとも特徴の強さから「twitterでしか楽しめない」楽しみは非常に多いため非常に手強い。


Google+が伸びた場合Facebook、twitter、Googleの三つ巴になるだろうか?twitterはFacebookと共存できて、Google+とできないのであれば、Facebookと共存することを望むだろう。


理由②斬新性のなさ 
現状Google+には「新しいこと」が何もない。twitterは「今」を共有しあえるという新しい楽しさを生んだし、Facebookは「実名SNS」としてリアルな関係を構築するという概念を生み出した。


GoogleページはFacebookページそのままだし、Facbook同様にゲームを楽しみ、音楽が無料で聞ける様になっても、、、「新しさ」はない。(もちろん圧倒的な情報コンテンツが提供できれば話は別だが、先にプラットフォームとして確立しているFacebookを追い越すのは厳しいだろう。)


Google+の武器は検索エンジン、Gmail、Youtube他自社サービスとの融合であり、それは強力だがGoogle+を使わなくてもそれらを使うことはできる。斬新性がないと流行らないのか?と言われればそうではないかもしれないが、それ以外に大きなインパクトを与える理由が必要になるだろう。


理由③ソーシャルメディアは直ぐには他のサービスに動きたがらない
mixiはピークは過ぎながらも月間アクティブユーザーでFacebook
3倍の1500万人がおり、地方では特に未だmixiが根強く残っている印象だ。


1年ほど前、友人になぜmixiではなく、Facebookをやらないのか聞いたところ、「mixiにこれまで書き込んできた写真や日記、レビューはどうしてくれる?」「これまでのmixiでの友達は・・・?」 という反応が返ってきた。因みにその友人は未だFacebookを始めていない。


Facebookをmixi同様自らの友達や書き込みを蓄積させるサービスという意味で同様と考えると簡単に移行したがらないと考えるのは普通である。(その意味で先日Facebookで公開された「TimeLine」は他のソーシャルメディアに移ることに対して効果的に働くだろう。)


現状Facebookを始めたユーザーが多い(若しくは重い腰を上げてmixiから移行してきたユーザーが多い)状況で、そこから更に現状サービスの特性は大きく違いの無いGoogle+をやるだろうか?
答えはNOである。


幾らネット世界を牛耳るgoogleとは言え、先にFacebookが入り込んでい市場(相手の土俵)で、サービス的にも似通っている現状では横綱に勝つことは出来ない。


Google+が狙う市場はまずはFacebookではない。four square , instagram , Linkedin などといった、Facebookとは直接競合にならない新しい付加価値を持たせることがまず第一歩。それすら出来なければ、GoogleBuzzと同じ道を歩んでいくのは間違い無いだろう。


もし自分なら・・・・?
時間とお金は掛かってもFacebookより「現実に近い」世界をインターネット上で作りあげる。例えばセカンドライフやサマーウォーズのような・・・?


兎にも角にもGoogle+には早急な方針の転換を願うばかりだ。